認知症デザイン

「認知症にやさしいユニバーサルデザインの研究成果の公開」
21K10993 科研費(基盤研究C:2021年4月1日から2025年3月31日)

みなさまに研究成果を本HPに公開します
認知症の人は高齢者が多く、認知機能低下だけでなく老眼や難聴、手先がうまく動かない、状況がよくわからないなどのお困りごとを抱えています。医療・看護・介護場面でお困りごとを少しでも軽減、役立つデザインを考案しましたのでご紹介します。
デザインについては文字のフォント、色のコントラストを考慮していますが、エビデンスの検証はまだ不十分です。完全なものではないことをご了解いただき、みなさまに活用していただければ幸いです。  
                             代表:内田陽子



「点滴自己抜去予防のデザイン」

急性期の入院患者に多く行われるのが点滴です。せん妄や認知症などで自己抜去となる患者さんのためにデザインを考えました。図1は色付き包帯を選んでもらい点滴挿入部を巻くというデザインです。写真では赤色包帯を示しています(詳しくは本HPの業績欄の崎山らの論文参照)。現在、事例研究から介入研究へと実証研究がすすんでいます。図2は「点滴してますよ」と看護師が説明しているデザインです。患者の目につく場所において、本物の看護師の代わりに声かけをしてくれるデザインです。点滴自己抜去予防のために身体拘束が行われることもあるため、拘束をしないためにも、デザインを役立ててください。



「ナースコール デザイン」

ナースコールの使い方について、「押すと看護師がくる」と認識できるようにデザインしました。
また、「トイレにいきたくなったら、ナースコール」、「立ち上がりたいときに、ナースコール」と自分の要求とナースコールが結び付けられるようにしたデザインもあります。





「高齢者の転倒予防デザイン」

転倒しないように注意喚起するデザインは多くみられますが高齢者に特化したものはみられません。そこで、高齢者は階段や居室(ベッド回り含む)、お風呂の場所での転倒が多く、高齢者ということがわかるようにデザインを考えてみました。





「お風呂いかがですか?」
お風呂を拒否する人がおられます。
何をされるのかわからない、裸になるのが怖い、めんどくさいなど原因がありますが、
お風呂を入る事が図を見ればわかり、お風呂は気持ち良いものだとポジティヴに思っていただくためにデザイン図を見せて、お風呂のお誘いの声かけをいたします。





「人の最後までの経過のデザイン」
アドバンス・ケア・プラニング(ACP)をすすめるにあたり
人の最後までの経過をイメージしていただく為に、デザイン図を示す方法もあります。人は誰もが死を迎えますが、それを受け入れたくない人も多いかと思います。しかし、人生の最終段階での意思表示は重要事項です。





 こちらから PDFにて見られます。

   医療処置のデザイン(PDF)



 こちらから PDFにて見られます。

   服薬デザイン(PDF)



「背景のコントラスト:歯磨きのデザイン」

チラシ内での色の対比(コントラスト)も重要ですが
貼り付ける壁の色とのコントラストで見えやすくなるし、見えにくくなります
歯磨きを促すデザインを2種示しましたので、比べてみてください。







「文字ポスターのデザイン」

私たちが住んでいる町中にはたくさんの看板があります。
その看板の文字の色と背景はある一定の組み合わせがあることに気がつきます。
高齢になると見えにくくなりますが、文字と背景のコントラストを意識して
患者さんにお渡しするチラシや貼り付ける注意書きポスターなどにも応用できます。
また、文字のフォントもゴシックやユニバーサルフォントだとわかやすいです。
一例を示しました。詳しくは業績欄の小池らの論文を検索してご覧ください。





  こちらから PDFにて見られます。

   文字ポスターデザイン(PDF)




  こちらから PDFにて見られます。

   認知症ケアのアート入門(PDF)
 






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